看護は何ができるか 1
日本看護管理学会で刺激を受けて、ますます看護について語って利用される人々にも理解していただこうと思う。
さて、看護はなにができるか でシリーズにしてみようと思う。
まずは痛みにおいて看護が観察し果たす役割は大きい。 痛みをコントロールすることで患者さんがそのひとらしく楽に治癒過程に至ることができることも知っている。 つまり医師より痛みに関しては敏感でよいコントロール状況にする”技”と”薬の使い加減”を知っているということだ。技においてはいつか書くこととして、痛みは個々の主観によるものだ。 鎮痛薬も使用に拒否的反応がない方、ある方さまざまであるが、どの程度の痛みでコントロールしようかと患者さんのニーズを聴く。 そこからどのようなコントロール方法があり本人が望むか相談する。あとは看護の眼で観察し、上手に技と薬を使う。評価は当然患者さんからいただく。
このようなことを個々の患者さんとまた時期によって対処しながら向かい合っていく。 以下は、当院において、主観である痛みを客観的指標(ものさし)に置き換えて、その苦痛のコントロール状況がどうなっていたか調べたものである。 先日の学会にもポスターセッションへエントリーした、抄録を添付する。
結果は良好にコントロールされている患者群が多かったということであった。
「STAS使用者における苦痛のコンロトロール状況」
【はじめに】当院では平成18年に痛みの客観的スコアとしてSTAS日本版(Support Team Assessment Schedule)を導入した。緩和領域から導入し現在は限定せず使用している。苦痛のコントロールは質指標のひとつとなり、今回の調査はいきがあると考える。
【目的】A病院のSTAS使用患者の苦痛のコントロール状況を明らかにする。
【研究方法】STAS使用患者の1週間のスコアを抽出し苦痛コントロール状況を把握し分析する。分類はスコア0~1が良好群(A群)、スコア2以上が2勤務以上持続した不良群(B群)、スコア3以上が1勤務帯で観察されたが次勤務に軽減した中間郡(C群)とした。対象はA病院の一般病床入院患者のうちSTAS使用者で、平成21年4月22日から28日のSTASデータを医療情報システムから抽出した。
【倫理的配慮】入院時に目的外に診療情報の使用を許可した患者を限定し公表にはプライバシーの確保を行った。本研究は倫理委員会の承認を得て行った。
【結果】平均入院患者数649.4名の内、STAS使用は491名(75.6%)であった。平均年齢63±22.1歳、分布は70~99歳で51%を占めた。男女比1:1.004、24診療科で呼吸器内科、呼吸器外科、整形外科の順に多く、16の病棟で使用されていた。A群は436名でSTAS使用者の88.9%であった。平均年齢63.2歳、男女比1:1.04、手術の有無1:2.4、悪性腫瘍の有無1:2.9であった。B群は48名でSTAS使用者の9.8%が中程度以上の痛みが2勤務以上持続していた。平均年齢は63.5歳、男女比1:1、手術の有無1:1.3、悪性腫瘍の有無1:1.2であった。C群は7名でSTAS使用者の1.4%であった。68.7歳、男女比5:2、手術の有無3:4、悪性腫瘍の有無0:7であった。
【考察】入院患者の75.6%と使用領域は拡大していた。使用拡大には、導入期にスコアリングの精度を上げるため各職場での学習会や継続的にSTAS症例検討会の開催が効果的であったと考えられた。苦痛は88.9%が良好なコントロール状況であり、スコア2と観察された患者群でも、次勤務では苦痛の軽減が図れていると推測された。B群での断続的に持続する苦痛は悪性腫瘍患者が多く、より緩和ケアの苦痛コントロールの重要性が示唆された。医療チームが電子カルテ上でSTASスコアの推移が共有でき、早期に介入できたと推測された。
【結論】1.STAS使用患者の苦痛は良好にコントロールされていた。2.断続的に連続する患者には悪性腫瘍患者が多かった。
日時: 2009年08月26日 20:04